PMDA 医療機関報告Best Practice|特別対談 DI室担当者が語る「報告受付サイト」の導入で報告業務はここまで変わる!

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PMDA Special Interview

PMDA 医療機関報告Best Practice|
特集インタビュー

DI室担当者が語る「報告受付サイト」の導入で
報告業務はここまで変わる!

地方独立行政法人 東京都立病院機構
東京都立多摩総合医療センター

東京都立多摩総合医療センターは、東京・多摩地域で唯一総合医療を提供する789床の急性期病院です。同院では、PMDAが運営する医薬関係者からの副作用等報告(以下「医療機関報告」という。)の電子報告システムである「報告受付サイト」を利用し、多くの医療機関報告を行っています。今回、PMDAは、医療機関報告の電子化推進と医療の安全対策に貢献している同院を特集し、同院の薬剤科で医療機関報告に携わる先生方へ医療機関報告業務の現状と報告受付サイト活用のメリット、今後の展望などについてお話を伺いました。

プロフィール

山口 智 先生

山口 智 先生

地方独立行政法人 東京都立病院機構
東京都立多摩総合医療センター薬剤科長

1989年明治薬科大学薬学部卒業後、東京都養育院 東京都老人医療センター(現 東京都健康長寿医療センター)薬剤科入職。東京都立駒込病院、東京都立墨東病院等を経て、2016年東京都保健医療公社豊島病院(現東京都立豊島病院)薬剤科長、2018年東京都立小児総合医療センター薬剤科長、2021年東京都立東部地域病院薬剤科長。2024年より現職。

太田 十夢 先生

太田 十夢 先生

地方独立行政法人 東京都立病院機構
東京都立多摩総合医療センター薬剤科主任

2020年慶應義塾大学薬学部卒業後、東京都立多摩総合医療センター薬剤科入職。

INTERVIEW

業務効率化を目指し報告受付サイトを導入

業務効率化を目指し報告受付サイトを導入

―報告受付サイトを導入したきっかけを教えてください。

(以下、敬称略)
太田:当院では2021年から報告受付サイトの利用を開始しましたが、当時の担当者に確認したところ、厚生労働省から案内を受けたことが導入のきっかけになったとのことでした。報告サイトの導入以前は、医療機関報告の報告書をファクスで提出していましたが、どうしても誤送信のリスクがあり、ダブルチェックをしてから送っていました。業務の効率化を見越して導入を決定したと引き継いでいます。

山口:紙媒体で報告書を提出していたときは、書式の性質上、報告内容の一部に記載漏れや誤記載が発生しやすい状況でした。報告受付サイトは画面が見やすく、さまざまな機能が備わっているため、紙媒体から切り替えることでより報告しやすくなると考えました。

―導入にあたり、何か障壁等はありましたか。

太田:当院の場合、基本的に医療機関報告はDI室の担当者が一括して対応しています。そのため、担当者のみが紙からオンラインでの報告書作成・提出へ切り替えればよく、報告受付サイトの利用において、特に大きな障壁はありませんでした。報告受付サイトを利用するための外部インターネットに接続できる端末も元々あったものを使っています。

院内の副作用・副反応が疑われる情報はDI室に集約

―副作用・副反応が疑われる情報の収集・報告に関して、現在の運用体制を教えてください。

太田:医薬品による副作用やワクチンによる副反応が疑われる事象(以下「有害事象」という。)を把握したときは、基本的に医師や看護師、そのほか薬剤師等のコメディカルもすべて薬剤科に情報を上げる運用となっており、薬剤科のDI室に情報が集約されます。院内スタッフから連絡を受けた薬剤師は、報告受付サイトのDI室のアカウントにすべての情報を集約し、PMDAへ報告を行っています。それと並行して、月1回開催される院内の薬事委員会にも報告をしています。

院内での報告体制

院内のどの職種も同じ報告様式を使用してDI室に報告を実施。DI室で情報を一元的に集約・管理し、PMDAへの報告を実施

―院内スタッフからDI室へ情報を上げる際には具体的にどのようにしているのでしょうか。

太田:電子カルテ上に、DI室へ情報を上げるための提供様式があり、それに記載して情報を上げてもらうようにしております。まずは第一報を上げてもらうことを重視しており、非常に簡易的なフォーマットを採用しています。

―報告受付サイトのアカウント管理は、専門の担当者がおひとりで行われているのでしょうか。

太田:基本的にはDI室専任の薬剤師が報告・管理を行っています。DI室の専任者は数年ごとに交代しており、担当者が管理しやすいように、アカウントはDI室で作成し、報告者名は医薬品情報室としています。

院内副作用連絡票

院内で使用している報告様式。院内スタッフが有害事象、被疑薬・併用薬、コメント等を端的に記入できるようになっている

―日頃の安全性情報はどのように収集・共有されていますか。

太田: PMDAのメディナビ※1やウェブサイトのほか、製造販売業者のMRや医薬品卸売業者の担当者などから随時最新の情報を受け取っています。集めた安全性情報は、院内のメッセージツールや電子カルテを用いて、院内スタッフ全体に知らせるようにしています。そのほか、医療機関報告と同様に月1回開催される院内の薬事委員会で安全性情報を共有しつつ、緊急性の高い事案については、各病棟の薬剤師とも連携しながら迅速に周知しています。

※1 PMDAメディナビ … 医薬品・医療機器等の安全性に関する特に重要な情報が発出された際に、タイムリーにその情報を配信するメールサービス

「記入漏れ防止」や「過去の報告データの複製」
といった便利機能

―報告受付サイトを使用するメリットはどのような点にあるのでしょうか。

山口:紙媒体で報告していたときのように報告書の保管をしなくて済むようになりましたし、ファクスで送付していたときにダブルチェックしていた手間が省けるようになったのも大きな変化です。また、紙媒体で報告していたときは文字が小さく記入漏れや誤記を見落とすことがありましたが、報告受付サイトは画面が見やすく、記入漏れがあると次のステップに進めない仕組みになっていて、とても便利だと思います。

太田:過去に報告した内容をコピーして、類似の報告書を作成することができることです。報告者情報、医薬品名、製造販売業者名などは、過去の報告から複製できるため、作業時間が短縮できます。また、DI室では問合せの電話が頻繁に鳴るので、作成中のファイルを一時保存して中断することが少なくありません。その後、作業を再開すると一時保存しているファイルの色が変わって表示されるので、提出漏れを防ぐことができています。

―院内では同じ医薬品の有害事象に関する情報が複数寄せられるケースがあるのでしょうか。

太田:あります。当院の場合は、放射線科からの造影剤の有害事象の情報が多いです。造影剤の種類は数種類に限られていて、アナフィラキシーなどの情報は年間に何件も届くことがあります。そのような場合は、以前のファイルをコピーして患者情報や経過欄のみを修正し、提出しています。

報告受付サイトへの副作用・副反応疑い報告に使用しているDI室のパソコン端末。主に太田先生が入力業務を行っている

報告受付サイトへの副作用・副反応疑い報告に使用しているDI室のパソコン端末。主に太田先生が入力業務を行っている

医療機関報告への意識向上を目指し周知・啓発に注力

―医療機関報告に関しての院内での取組みや今後の方針についてお聞かせください。

山口:現状では診療科によって情報の報告頻度に差があり、結果として有害事象の情報が上がっている医薬品群に偏りが生じている傾向があると感じています。あらゆる診療科から有害事象の情報をより引き出せるように、医師や看護師への周知に力を入れながら、院内で発生した有害事象に関する情報を集め、PMDAにもしっかりと報告していきたいです。

太田:医療機関報告の制度※2,3に対する認知度や意識は、個々の職員の間で差があるように思います。実際は有害事象が起きているが、報告するかどうかの判断への迷いからか、報告されていない事例があるのではないかと考えています。そこで、必要な有害事象の情報を上げてもらえるよう、院内のメッセージツール等を活用し周知・啓発にも努めています。

※2 医薬品・医療機器等安全性情報報告制度 : 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の第68条の10第2項に基づき、医薬関係者が、医薬品等の副作用によるものと疑われる疾病等を知った場合に、厚生労働大臣に報告することを義務付ける制度

※3 予防接種後副反応疑い報告 :予防接種法第12条第1項の規定に基づき、医師等が定期又は臨時の予防接種を受けた者が一定の症状を呈していることを知った場合に、厚生労働大臣に報告することを義務付ける制度

―周知の内容はどのようなものでしょうか。

太田:医療機関報告が医療従事者にとって重要な義務であることや、電子カルテ上のフォーマットの記載方法などを伝え、PMDAの報告受付サイトの啓発資材も添付しています。ただし、現状ではメッセージを送る頻度が年1回なので、今後は回数を増やすことを検討中です。また、この周知・啓発活動について、現状は院内スタッフ全員向けに同じ内容のものを行っておりますが、その場合、当事者意識が薄れてしまうと考えており、今後は各診療科ごとや職種ごとに周知するなど個別に対応する必要性を感じています。

「各診療科から満遍なく情報を収集し、院内からより多くの報告が集まるようにしたい」と話す太田先生

「各診療科から満遍なく情報を収集し、院内からより多くの報告が集まるようにしたい」と話す太田先生

報告意欲向上のために医療機関報告の利活用事例を知りたい

―医療機関報告の制度、安全性情報の収集・発信において、行政やPMDAに期待すること、
また、報告受付サイトの機能面に対するご要望などをお聞かせください。

太田:我々が行った医療機関報告が、具体的にどのように利活用されているのかを知りたいですね。「報告がきっかけとなって安全性情報が新たに発出された」とか「添付文書が改訂された」といった事例が医療従事者の方に伝わってくると、報告する側のモチベーションが上がるように思います。報告受付サイトの機能面としては、過去の報告書データをコピーして報告する際に、コピーされた不要な情報(例えば、検査値)を簡便に削除できるようになるとより便利になると思います。

山口:医療機関報告として提出された情報が集約され、医療従事者が即時に広く確認できる仕組みがあると、非常に良いと思います。もちろん、内容を吟味しないと、本当に医療機関報告として扱っていいのか判断できないかもしれませんが、医療現場からの情報がスピーディーにフィードバックされれば、医療従事者の医療機関報告に対する意欲がよりいっそう高まると思います。

DI室では日々、副作用・副反応疑い報告に関する情報確認を行い、スタッフ間のコミュニケーションを緊密に行っている

DI室では日々、副作用・副反応疑い報告に関する情報確認を行い、スタッフ間のコミュニケーションを緊密に行っている

東京都立多摩総合医療センターについて

東京・多摩地域における唯一の総合的な医療機能を備えた都立病院として、救急医療、がん医療、周産期医療、脳血管疾患医療、心臓医療、リウマチ膠原病医療、精神科医療、結核・感染症医療などを重点医療と位置づけ、高度かつ専門的な医療を提供。地域と連携し、高度急性期医療や行政的医療を担い、総合医療で都民の皆様の健康と命を守り、より質の高い医療を多くの方へ公平に提供できるよう努めています。

所在地:〒183-8524
東京都府中市武蔵台二丁目8番地の29
ホームページ:https://www.tmhp.jp/tama/

東京都立多摩総合医療センターについて
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